【蟹さんのRPGを語りたい】小学生編 ドルアーガ・ハイドライド・そしてリザード

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唐突に始まったシリーズ「蟹さんのRPGを語りたい」。
80年代中盤から20世紀の終わりに至るまでRPGと触れあってきた私の思い出やらなんやらを語ろうという企画です。

さて記念すべき第一回は、私とRPGの出会いでも書いてみようかと思います。

1.ドルアーガの塔、そしてRPGとの邂逅

記憶にある限りで、最初に「RPG」なる聖なる三文字と遭遇したのは、忘れもしない1985年の夏休み。
弟の友達が我が家に「ドルアーガの塔(ファミコン版)」を持ってきた時の事です。

まだスーパーマリオブラザーズが発売する前。ファミコンが国民的ゲーム機になる前史のことなので、自宅にファミコンを備えている家もそう多くはなかったのですが、ゲーム好きが集まっていた仲間内では、毎日のようにファミコンがある家をローテーションして、ゲーム三昧な夏休みを過ごしていました。

そんなある日、弟の友人が発売されたばかりのゲームを持って我が家にやってきました。

その名はドルアーガの塔

アクションゲームやシューティングが主だった当時のファミコンのゲームと比べると、異質とも言うべきゲームでした。主人公はジャンプもしなければ弾も撃ちません。ボタンを押すとザシュと剣が出てきて、そのままブルンブルンした敵に体当たりすると倒せるらしい。

なんだこれ? と、集まっていたみんなが首をかしげました。

そんな中、近所にすむ幼なじみでゲーム博士のYくんが言いました。

「これはRPGじゃないか!」

これが、私が最初にRPGなる単語を聞いた最古の記憶です。

Yくん曰く「敵を倒したりマップに配置されたアイテムを取ることで主人公が強化されていくゲーム」とのこと。なるほど、ドルアーガの塔はモンスターを倒すと宝箱が出たりします。そうやって主人公を強化することで、より強い敵と戦えるように、そして先のステージへと進むのがRPGなのだと、Yくんは教えてくれました。

ふーん、完全に理解した、などと当時の私は思ったわけです(実は全然わかってない)。

Yくんの事を少し書いておくと、彼はコンピューターが大好きで、自宅にはブロックくずしやファミコンなどコンピューターゲーム用のハードを揃えていました。
そんなYくんは近々MSXというパソコンを買う予定だったそうで、その情報集めのために「ログイン」という雑誌を読んでいました。
ドルアーガの塔が発売される一ヶ月前に、世界初となるファミコン雑誌「ファミリーコンピューターマガジン」が発刊。ファミコンキッズはようやく俯瞰的にゲームの情報に触れる媒体を手に入れたわけです。そんな中でログインを読んでいたYくんが私たちと比べものにならないほどのゲーム情報を頭にいれていたわけです。

そんなYくんの口から発せられたRPGという言葉は、ともかく新鮮でした。

そして私のRPG体験は、YくんがMSXを購入したことで加速度的に進化されていくことになるのです。

なお余談ですが、弟(団長)が生放送でよくネタにしているとおり、我が故郷鷲宮にはゲームセンターなるものがなく、あっても駄菓子屋やおもちゃ屋の外に出ているものくらい。魔界村やファンタジーゾーンといった、当時としては比較的新しいゲームもありましたが、だいたいはヘッドオンやジャンプバグ、スクランブルといった二周おくれのゲームばかりでした。
そのため、ドルアーガの塔がアーケードゲームからの移植だったと知るのは、この後7年ほど待たなければなりませんでした。ああ、田舎すぎ…

 

2.ハイドライドでRPGの面白さにハマる

Yくんが最初に買ったMSXのゲームは、ハイドライドでした。
ハイドライドはドルアーガの塔によく似ており、ボタンのオンオフで攻撃と防御を使い分け、フィールド内にいる敵と戦い、アイテムを集めていくゲームでした。
ただ、ドルアーガの塔と違い、草原や森の中、堀といった多彩な地形が表現され、それだけでフェアリーランドという架空の土地を冒険している気分になりました。

また、EXP、つまり経験値があり、一定の敵を倒すことで主人公(ジルくん)が強くなっていくというシステムも新鮮でした。
経験値は、敵を倒すことに意味を生み出します。
最初のうちはスライムが落とす少ない経験値でもレベルがあがっていきますが、レベルが高くなると弱いモンスターからは経験値がもらえなくなります。
つまりモンスターは単なる邪魔モノではなく、強くなるために戦う「べき」存在となるわけです。こうして対戦をシステムで強制化させることが経験値というシステムの偉大さだと私は思ってます。

ハイドライドはそこまで難しいゲームでもなく、すでに攻略法も出回っていたため小学生だった私たちも無事バラリスを倒すことができました。

その達成感といったら。

世の中にはなんておもしろいゲームがあったのだろうと、当時ファミコンで流行していたアクションゲームもシューティングもそこまで上手ではなかった私にとって、ハイドライドはまさにゲームの神による天啓のようにも思えたのでした。

そして私もMSXのような、RPGが遊べるパソコンが欲しいと思うようになったのです。

 

3.本格RPG「リザード」との出会い

その後Yくんはカレイジアス・ペルセウスなどのRPGや、オホーツクに消ゆなど当時のファミコンにはなかったようなアドベンチャーゲームを購入し、私にパソコン(MSX)の偉大さをこれでもかというほど教えてくれました(余談ですが、私がはじめて遊んだADVは、オホーツクに消ゆでした)。

そんな中、Yくんは、とあるゲームを購入しました。

リザードというゲームです。

リザードは、これまで触ったどんなゲームとも違っていました。

まず、主人公の存在を示すものは数値のみです。いわゆるステータスというヤツです。
常時表示されているキャラクターの絵なんてありません。画面に表示されている各種ステータスのみが主人公の存在を明らかにしています。
次にゲーム画面。キャラクターの絵がないのは、このゲームが当時3Dダンジョンと呼ばれていた、今で言うところのダンジョンRPGだったからです。

黄色と黄緑と青に染められたサイケデリックなダンジョンを、カーソルキーをつかって移動すると、モンスターと遭遇。戦闘がはじまります。
しかしここでも当時のゲームの主流を占めていたアクションシーンはなく、「アタック」「逃げる」「どうぐ」のコマンドを選んで戦います。今では当たり前となっている、コマンドバトルです。

3Dダンジョン(と当時は言われてましたよね)による主観的ビジュアルと、戦闘時の行動選択という二つの要素によって、リザードはこれまでのコンピューターゲームにない没入感を与えてくれました。
レベルがあがることにより、これまで苦戦していたモンスターにも勝てるようになるなど、レベルアップの爽快感もあって、私やYくんを初め、友人達はハマっていた記憶があります。

結局、ラスボスの大リザードを倒すことなく、私のリザード体験は終わったのですが、このリザードのプレイ経験が、後のRPGブームの中で(ヘンな方向で)生かされていくことになるのです。

では、続きはまた今度。

(文/赤蟹 絵/SAN)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。