海外で人気のレーシングシミュレーター「PROJECT CARS2」インプレッション

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「あらゆるレーシングゲームを凌駕する」と開発陣が豪語するレーシングシミュレーター「PROJECT CARS2」の日本語版が発売されました。

RIDE2でドライビングスピリッツを満たしていたペーパードライバーの私ですが、ここでようやく四輪で走れることになりました。

Forzaシリーズを抱えるXboOne陣営の後塵を拝していたPS4のレースゲームですが、明日にはグランツーリスモSPORTSも発売され、ようやく追いつけそうな勢いですね。
そんなPS4陣営のレースゲームの中で、PROJECT CARS2も最高の選択肢の一つになるのではないかと思います。

そんなわけで、10時間ほど遊んだ感想を書いてみます。

なお、PS4の標準パッドでプレイしています。

 

■ドライビングホイールが大前提。入力はかなりピーキー。

PROJECT CARS2はゲームとしての楽しさよりも、クルマの挙動のシミュレートに重きをおいたゲームです。

少し走らせてみれば分かりますが、PROJECT CARS2の挙動はかなりデリケートです。
「今時のクルマがこんなに簡単にスピンするわけないじゃん」と思うほどですが、実際に速度計などを見れば画面以上の速度がでていたり、急ハンドルを切っていたりと、なぜスピンしてしまうのか、その理由がちゃんとあるのがわかります。

というのも、本作はリアルドライブシミュレーターとして、ドライビングホイールを使うことが前提の味付けがされているためです。

ハンドルを回す舵角を左スティックでやっているのだから、急ハンドルになるのも当たり前です。

一応、ゲームモードらしいパッドでも遊べるセッティングはあるのですが、それでも多少運転しやすくなった程度のものであって、完全にパッド対応させるには、細かく入力感度や遊びを設定しなければなりません。

それでも急な入力は御法度で、ハンドリングにせよアクセル・ブレーキにせよ「パーシャル」をうまく使いこなさないと完走すらあやうい状況になります。

このあたり、ドライビングホイールを持っていれば多少違ってくるのでしょうが、パッドで遊んでいると最初の数時間は「遊びづらい」と思うかもしれません。

しかしコントローラーのセッティングを出して、「パーシャル」の感覚がつかめてくると、クルマの操縦も楽しくなってきます。

さらにゲームとコースに慣れれば全開走行も可能となるので俄然面白くなってきます。

…とはいえ、遊んでいるうちにドライビングホイールが欲しくなってきますけど(笑)。

 

■トラクションの抜けが分かるリアルな感覚

クルマを走らせる上で大切なのは、どのタイヤがどれだけ仕事をしているのか、ということです。

例えばFFで前輪のトラクションがすっぽ抜けると、走らない、止まらない、曲がらないという三重苦を抱えることになります。場合によっては壁に刺さる可能性もあるので、非常に危険です。

このようなトラクションが抜けた感覚が、PROJECT CARS2ではパッドの振動と画面を通して伝わるクルマの挙動で、手に取るように実感できます。ブロックに乗り上げるとあからさまにタイヤが滑りますし、μが低いダートだとタイヤがズリズリしているカンジが分かります。坂道になると、駆動形式によってはタイヤが仕事していないと感じることがしばしば。

今まで経験したゲームの中でも、トラクションの表現はピカイチだと言えるでしょう。

実際、開発チームもこのあたりの挙動を最重点にしているようで、天候の変化など路面の状態や変化の表現に自信をもっているようです。
なにしろ、Live Track 3.0というシステムにより路面状態はリアルタイムに変化をシミュレートしているそうですから。

雨天や積雪はおろか、アスファルトに砂が被っても摩擦係数が変わるという恐るべきシステムで、これによりリアルなドライビング感を実現しているそうです。すごいな今時のレースゲームは…。

何もない路面なのに急にスピンしたり、トラクションが抜けたりする時は、このような路面変化が発生したということなんですね。おそるべしLive Track 3.0。

 

■レースエンジニアで好みのセッティングを

ともかく挙動が極端なため、特にパッドでプレイしている場合はコントローラーと車体のセッティングを適正化させる必要があります。デフォルトの設定だと、特にハンドルとアクセルの感度が高く、また遊びが少ないためにスピンの原因となってしまいます。ブレーキは若干反応が鈍く設定されていますが、ここも好みで遊びや感度を調整するべきです。

コントローラーの設定が終わったら、次はマシンのセッティングということになるのですが、これが細かい細かい。
初心者だとどこをいじればどうなるのか、さっぱり分からないと思います。

そこで、「レースエンジニア」という初心者向けのセッティングメニューがあります。

これは実際のドライバーのように、エンジニアに挙動の不満点を告げ、セッティングに反映してもらうモードです。
例えばコーナーを曲がりづらい、スピンする、ブレーキが遅れるなど、自分のドライビングスタイルとクルマの挙動の差を告げることにより、エンジニアが改善してくれるのです。

なんと便利なのでしょう。

もちろん、手動でセッティングするほうが自分好みに仕上げられるでしょうが、初心者のうちはレースエンジニアでも十分ではないのかなと思います。

実際のレースシーンでもドライバーが細かくセッティングを出すわけではありません。ストリートチューンもショップに任せてしまう事がほとんどです。

そう考えると「リアル」なモードと言えなくもありませんね。

 

■カートでドライビング感覚を養う

キャリアモードで最初に選ぶべきは、なんといってもカートでしょう。

ホイルベースが短く、プレイヤーのレスポンスに対してピーキーに反応するカートは、このゲームの挙動を体得するのにピッタリなマシンといえます。
頭文字Dでも、カート出身者の小柏カイが、カート出身者ゆえに速いという設定がありました。

PROJECT CARS2も同様です。

カートに乗ってみると、まず思い通りに走ってくれません。カートをうまく動かすには、ハンドルを丁寧に動かし、アクセルも適切に開けることが求められます。ブレーキは言わずもがなですね。

少しでもミスればスピンが待っています。

そんなデリケートなカートをしっかり動かせるようになれば、他のクルマもだいたい同じやり方で走ってくれるようになります。

カートを制するものは、PROJECT CARS2を制する、というわけです(多分)。

ゲーム初めて早々出鼻を挫かれることになると思いますが、負けても特にペナルティもないので、カートでしっかり練習しましょう。

カートに慣れたところでハコ車に乗り換えると、ビックリするくらい運転が簡単に思えますよ。

 

■ただし肝心のゲーム部は減点

さて肝心のゲーム部ですが、これはちょっと減点です。

まずライバルカーが面白くありません。

こちらの車両はLive Track 3.0により細やかなトラッキングされていますが、CPU車には適用されていません。そのため、どんな路面コンディションであろうと猛然とベストラインを走り抜いてくれます。その様はまるでタイヤが路面に貼り付いているかのよう。こちらから(不慮の事故で)ぶつかっても、揺らぐそぶりすら見せません。

一方で自車にぶつけられた時は、スピンやコースアウトになりがちです。一応ブロックもできなくありませんが、衝突されてコースアウトするリスクがあるので、あまりオススメはできません。

しかも、スピンする、衝突されてしまうと、リカバリーできずに最下位でゴールという場面もしばしば。特にデフォルトで設定されているライバルカーの強さだと、追いつくのはほぼ無理です。

そんな場合は、素直にセッションをやりなおした方が良いです。

このあたりは、グランツーリスモのライバルカーの挙動にもよく似ています。ライバルカーの挙動だと、やっぱりForzaが一番なのかな…と思ってしまいますね。

 

次にグラフィックですが…

見てのとおり、PS3かXbox360かと言うほどの素朴なグラフィックです。

おそらくLive Track 3.0の演算に大きくリソースを使っているせいかと思いますが、おせじにも今時の美麗なグラフィックとは言いがたいです。

グラフィックなんてどうでもいいんだ、クルマの挙動がリアルならそれでいいんだ、というスパルタンな方は気にならないと思いますし、走っている間はそこまでチープに見えないので問題ないといえば問題ないのですが…、人によっては大きな減点になるかもしれませんね。

あと、レース中はBGMはありません。エグゾーストノートとタイヤが奏でるスキール音がBGMです。
これをリアルと思うか、寂しいと思うかは、やはり人それぞれでしょうなぁ…。

 

■スピンの先にエンスーな体験が待っている!

このように玄人好みするPROJECT CARS2。たびかさなるスピンに嫌気がさしてきますが、逆に操縦が難しいからこそ、それを乗り越えた時の爽快感がたまりません。

ゲーム自体の知名度の低さもあり、なんとなく取っつきにくい印象がありますが、クルマ好きなら買って損はないゲームだと断言します。

それにしても…

在りし日のTAKATAをしのばせるこのコーナーに涙が止まりません。

 

さて、明日はグランツーリスモの新作、グランツーリスモSPORTSが発売されますね。もちろん購入予定です。
はたして、新しいグランツーリスモはどんな塩梅でしょうね。たのしみです!

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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