【ポンこれ】衝撃!占いで全てを決める会社!
科学的経営という言葉が使われはじめ、アメリカから持ち込まれたマネジメント理論を元に事業の合理化、仕事の効率化が至高とされ、MBA取得者が必要以上に持ち上げられ、古くさい日本式経営が否定される時代となって久しい21世紀の今日この頃。
そんな経営すら科学される時代にあって、北陸のとある会社は占いで経営の全てを決めているそうです。
その会社に勤務するSさんに、衝撃の占い経営について聞いてみました。
「不動産関連の会社なのですが、まず購入する物件を占いで決めます」
どのような占いですか?
「詳しくは分からないのですが、方角を見ているようです。収益高そうな物件候補があっても「方角が悪いから買わない」と言われるんです」
会社から北東だと鬼門だからダメとか?
「多分そんなカンジです。うちは一族経営の会社で、占いの方法や内容などは一族以外の社員には教えてくれないので…」
方角と言えば、一時期大流行した風水が有名です。西に黄色いモノを置くと金運アップとかいうアレです。
風水自体は歴史も長く、東洋の大都市は風水の思想にそって建設されています。東京もそうですし、ソウルや北京などもそうです。
またアニメやドラマになった陰陽師で有名な陰陽道も陰陽五行説による方角の吉凶を重視します。先述した鬼門も、陰陽道の考えです。陰陽道は天皇家や公家などに支持され、安倍晴明の子孫である土御門氏、そのライバルとも言えた賀茂氏も明治に入るまで陰陽道の家元として重用されました。
つまり方角は、古来より縁起吉凶の中核を担う重要な要素でした。現在でもその思想は受け継がれ、住宅設計などに活かされています。
方角で吉凶を見るのは、そこまで分からない話ではありません。
しかし、この会社の占い経営はこれで終わりではなかったのです。
「人事採用も占いです」
え?
「応募してくれた方の誕生日や自宅の方向、守護霊などを見て、採用するかどうか決めるんです」
守護霊って誰が見るのですか?
「経営者一族が信頼する霊媒師です。占いもその方が見ているようです」
それって、どう考えてもその霊媒師が怪しいじゃないですか。
「こんなオカルトな社風なので、占い選考を通った人もなかなか居着かなくて…」
でしょうね。
「それも邪悪な生き霊のせいだという話になり、その霊媒師にお祓いしてもらいました」
それ、採用占いが外れてたって事ではないのですか?
「ですね。外れたので生き霊のせいだと言ったのだと思います」
北陸ってまだそんな純朴な文化と迷信が息づいているのですね。
「うちだけですよ。失礼ですね。北陸に謝ってください」
北陸のみなさま、申し訳ありません。
以上、シャーマニズム経営に悩まされているSさんのタレコミでした。
占いは統計学や天文といった高度な学問の礎にもなったわけで、根拠がまったくないものでもありません。一方で占いの負の面だけが強調され、様々な迷信や邪宗を生み出す原因にもなりました。
去年も大分県で、六曜を印刷した自治体制作のカレンダーが回収される騒ぎがありました。その理由として、六曜が根拠のない風習や文化が差別を助長する恐れがあるためと説明がありました。
現代人からすれば頭の上にクエスチョンマークが浮かんでしまうような話ですが、前世紀末まで丙午の迷信は残っていましたし、未だに六曜を根拠に差別する人達がいるのも事実なのでしょう。事実、Sさんの会社は誕生日も採用の基準にしていたわけですし。
もちろん、六曜そのものが悪いわけではありません。悪いのは、そのような迷信に惑わさる人達です。
なお、誕生日など本人が関与できない能力経験以外の条件で採用不採用を決めるのは違法行為です。労働各法が有名無実になっている現在においては、大変空しい話です。おかげで、「ポンコツ上司コレクター」である私がネタに困らないわけですが(笑)
(文/赤蟹)
※インタビュー内容は情報提供者のプライバシー保護のため、多分にフェイクが含まれています。ご了承ください。